Amazonが、Prime Video上で視聴中のコンテンツと連動したショッピング体験をさらに拡大しています。TechCrunchが報じたところによると、映画・ドラマ・ライブスポーツなどで目にした商品を、X-RayやAmazonショッピングアプリ、新機能「Shop the Scene」を通じて見つけやすくする取り組みです。
AmazonはPrime Video全体でショッピング連携を拡大している。視聴者は、X-Ray、ショッピングアプリ、そしてLensを活用した新機能「Shop the Scene」を通じて、数千本の番組、映画、ライブスポーツに関連する商品を見つけられるようになる。
Prime Videoは「観る場所」から「買うきっかけ」へ
これまで動画配信サービスは、視聴時間をいかに伸ばすかを競ってきました。しかしAmazonにとってPrime Videoは、単なる映像配信サービスではありません。EC、広告、会員サービスを結びつける巨大な入口でもあります。
今回のポイントは、視聴者が「この俳優が着ている服が欲しい」「背景にある家具が気になる」と思った瞬間に、検索の手間を減らして商品発見につなげることです。従来なら、SNSで作品名や衣装情報を検索したり、画像検索を使ったりする必要がありました。AmazonはそこをPrime Video内、あるいはAmazonアプリ内で完結させようとしています。
X-RayとLensの組み合わせが持つ強み
Prime Videoの「X-Ray」は、もともと出演者や楽曲、シーン情報などを表示する機能として知られています。そこにショッピング要素が加わることで、映像内の情報がそのまま購買行動につながる導線になります。
さらに「Lens-powered」とされる「Shop the Scene」は、Amazonの画像認識技術を活用した機能とみられます。視聴中のシーンに登場する商品、またはそれに近い商品を見つける体験は、ファッション、インテリア、スポーツ用品との相性が特に高いでしょう。
日本市場でも広がる「コンテンツコマース」の可能性
日本でも、ドラマで俳優が着用した衣装や、バラエティ番組で紹介された商品がSNSで話題になり、ECサイトで売り切れるケースは珍しくありません。Amazonのような巨大プラットフォームがこの流れを公式機能として取り込めば、テレビ通販やインフルエンサー施策とは異なる、新しい購買導線が生まれます。
特に日本では、アニメ、アイドル番組、スポーツ中継、韓国ドラマなど、ファン消費と相性のよいジャンルが多く存在します。作品内で登場したグッズ、出演者が身につけたアイテム、スポーツ選手が使用する関連用品などを自然に発見できるようになれば、Prime Videoの視聴体験そのものがECの入り口になります。
視聴者は、番組や映画、ライブスポーツに関連する商品をより簡単に発見できるようになる。
この「関連する商品」という表現も重要です。必ずしも映像内に登場した実物だけでなく、似た雰囲気の商品や、作品・チーム・出演者に関連する公式グッズまで広がる可能性があります。Amazonにとっては在庫と推薦アルゴリズムを活用でき、視聴者にとっては欲しいものに近い商品へ短時間でたどり着ける利点があります。
課題は“便利さ”と“広告感”のバランス
一方で、動画視聴中のショッピング連携には慎重さも求められます。視聴者は物語や試合に集中したい場面も多く、購入導線が強すぎると「広告っぽい」「没入感を邪魔する」と受け取られる可能性があります。
成功のカギは、視聴者が能動的に知りたいと思った瞬間だけ、自然に商品情報へアクセスできる設計です。たとえば、X-Rayを開いたときに関連商品が表示される、スマホのAmazonアプリで後から確認できる、といった控えめな導線であれば、コンテンツ体験を壊さずに購買へつなげられます。
今後は、動画配信サービスとECの境界がさらに曖昧になっていくでしょう。NetflixやYouTube、TikTokもコンテンツと購買の接続を強める中、Amazonは自社に巨大なEC基盤を持つ点で大きな優位性があります。Prime Videoのショッピング連携は、単なる便利機能ではなく、映像ビジネスの収益モデルを広げる重要な一手といえます。
引用元: Amazon makes it easier to buy what you see on Prime Video
