導入文
「自己破産したら、メインバンクの口座が使えなくなるって本当?」
破産手続きを検討していると、毎日の生活費や給与振込に関わる銀行口座の行方が一番の不安材料になりますよね。結論から言うと、破産申立てをしただけで全口座が永久凍結されるわけではありません。しかし、借入先と同じ銀行に口座を持っていると「預金の相殺」や「一時凍結」が起きるリスクが高く、手続きの初動を間違えると家計が数週間ストップしかねません。この記事では、自己破産と銀行口座の関係をゼロから丁寧に整理し、凍結リスクを減らす具体策を紹介します。
この記事でわかること
- 自己破産で銀行口座が凍結されるメカニズム
- “同一銀行に借金があるか否か”で変わる対応
- 生活費や給与を守るための事前準備チェックリスト
- 凍結された場合の解除フローと所要日数
- 破産後に使いやすい口座・決済サービスの選び方
「借入の有無」で凍結リスクが分かれる
① 借入なしの銀行口座
- 基本的に凍結されない
破産管財人(または裁判所)からの残高調査は入るものの、預金額が99万円以下なら自由財産として使用可。 - 注意点
光熱費・家賃などの自動引落しが止まることはないが、管財事件の場合は残高提出を求められるので通帳をなくさないこと。
② 同一銀行に借入がある口座
- 預金と借金が“相殺”される
銀行には「預金と貸付の相殺権」があり、残高が即日借金の返済に充当されることがある。 - 一時凍結の流れ
- 破産申立て後に銀行が信用情報を確認
- 預金口座をストップし、残高と借入額を精算
- 相殺後に残った預金がある場合のみ凍結解除
ポイント:給与振込が止まると生活費が詰まるので、借入先と同じ銀行は事前に避けるのが鉄則です。
凍結を避けるための事前準備チェックリスト
- 借入のないネット銀行を開設
- 例:住信SBIネット銀行、楽天銀行、PayPay銀行など。
- 休日でも即時開設でき、給与振込先変更もオンラインで完了。
- 給与振込・公共料金の引落しを新口座に切替
- 会社の給与担当に「来月分から変更したい」と早めに申請。
- 電気・ガス・水道はマイページで支払口座を更新できる自治体が増えています。
- クレジットカードの口座振替も忘れずに
- 破産でカードは停止されるが、利用残高の最終引落しがあるため、残高不足を避ける。
- 生活防衛資金は“現金+別銀行”で二重管理
- 凍結しても最低1週間は暮らせるよう、現金3~5万円を手元に。
- ネット銀行→ゆうちょ銀行への資金分散も有効。
もし凍結されたら?解除までのリアルな流れ
- 銀行からの通知・通帳の利用停止を確認
- 弁護士または破産管財人へ即報告
- 管財人が裁判所に“自由財産拡張”を申立てるケースも。
- 銀行所定の書類を提出
- 「破産手続開始決定通知書」「免責許可決定書」などをコピー添付。
- 解除までの目安日数
- 少額凍結なら1~2週間、大口相殺が絡むと1ヵ月前後。
- 解除後もキャッシュカード再発行に5営業日ほど要する。
ワンポイント:凍結中はATMからの入出金が不可なので、オンライン送金サービス(PayPay→友人経由など)で緊急資金をつなぐ手もあります。
破産後に使いやすい口座・決済サービス
- ネット銀行×デビットカード
- 審査なし・即時決済。公共料金やサブスクも対応。
- QR決済(PayPay・楽天ペイ)+銀行チャージ
- クレカ不要で還元率2~5%のキャンペーンを享受。
- プリペイドカード(Kyash/バンドルカード)
- アプリ完結で上限管理がラク。通販利用にも強い。
これらを組み合わせれば、「クレカなしでも不便ゼロ」に近づけます。破産後は“現金主義”に寄りすぎるとポイント・手数料面で損なので、審査不要キャッシュレス+現金少額がバランス◎。
まとめ
自己破産で銀行口座が影響を受けるのは、「借入のある銀行口座」だけが高リスクだと覚えておきましょう。
- 借入なし口座 → 原則凍結なし
- 同一銀行に借金 → 相殺&一時凍結の可能性大
凍結を防ぐには、破産申立て前に借入のないネット銀行へ生活費を避難し、給与・引落しを早めに切替えることが最も確実です。万が一凍結されても、弁護士や管財人を通じて手続きすれば数週間で解除が見込めます。
“口座を守る”ことは“生活を守る”こと。この記事のチェックリストを参考に、安心して破産手続きを進めてくださいね。