海外テックメディアTechCrunchが、マーケティングプラットフォーム「Noise」の新たな動きを報じています。Noiseは、プロのインフルエンサーだけでなく、スマートフォンを持つ一般ユーザーが自分のコンテンツで収益を得られる世界を目指しているようです。
マーケティングプラットフォームのNoiseは、スマートフォンを持つ誰もが自分のコンテンツでお金を稼げるようにすることを使命としている。
「一部の人気者」から「日常の発信者」へ広がるクリエイター経済
これまで、SNSで収益を得る人といえば、フォロワー数の多いインフルエンサーやYouTuber、TikTokクリエイターが中心でした。しかしNoiseが掲げる方向性は、その構造をさらに広げるものです。つまり、特別な撮影機材や大規模なファンベースを持たない人でも、日々の投稿やレビュー、ライフスタイルの発信を通じて収益化できる可能性があります。
この流れは、海外で進む「マイクロクリエイター」や「ナノインフルエンサー」重視のマーケティングとも重なります。企業にとって、巨大な影響力を持つ有名人よりも、特定のコミュニティで信頼されている一般ユーザーの発信のほうが、購買行動に直結しやすいケースがあります。
日本でも相性が良い「日常レビュー型」の収益化
日本市場でも、コスメ、ガジェット、食品、旅行、育児、ファッションなど、日常に根ざしたレビューコンテンツは非常に強いジャンルです。特にInstagram、TikTok、X、YouTube Shortsでは、専門家ではない一般ユーザーのリアルな感想が購買のきっかけになることが増えています。
Noiseのような仕組みが普及すれば、「フォロワーが何十万人もいないと稼げない」という前提が崩れるかもしれません。たとえば、地元のカフェを紹介する投稿、愛用している文房具のレビュー、子育てグッズの使い心地など、これまで趣味として発信していた内容が小さな収益につながる可能性があります。
企業側にもメリット、広告はより“生活者目線”へ
Noiseのようなプラットフォームが注目される背景には、企業の広告手法の変化があります。従来型の広告は、視聴者に「売り込まれている」と感じられやすく、特に若い世代ほど広告への警戒感が強い傾向があります。
一方で、日常的にSNSを使っている人の自然な投稿は、広告よりも生活者目線に近く、共感を得やすいのが特徴です。企業にとっては、製品やサービスをよりリアルな文脈で届けられるため、マーケティング施策としての価値が高まります。
課題は「透明性」と「信頼性」
ただし、一般ユーザーの投稿が収益化されるほど、広告であることの明示やステルスマーケティング対策は重要になります。日本でもステマ規制への関心は高まっており、企業と投稿者の関係性をきちんと示すことが不可欠です。
今後、こうしたプラットフォームが成長するためには、投稿者が簡単に収益化できるだけでなく、読者や視聴者が「これは信頼できる情報なのか」を判断できる仕組みが求められます。報酬の有無、案件投稿かどうか、レビューの自由度などを透明にすることが、長期的な信頼につながるでしょう。
スマホひとつで副収入を得る時代は本格化するか
Noiseの取り組みは、スマートフォンが単なる消費デバイスではなく、収益を生み出すツールになっていることを象徴しています。動画編集アプリ、生成AI、SNS分析ツールなどの普及により、個人がコンテンツを作り、配信し、収益化するハードルは大きく下がりました。
日本でも副業への関心は高く、会社員、学生、主婦・主夫、シニア層まで、スキマ時間を使った収益化ニーズは広がっています。Noiseのようなサービスが日本市場に近い形で浸透すれば、「日々の投稿を資産化する」という考え方がさらに一般的になるかもしれません。
もちろん、誰もがすぐに大きく稼げるわけではありません。しかし、個人の経験や視点が企業にとって価値を持ち、それに対して報酬が支払われる仕組みは、クリエイター経済の裾野を大きく広げる可能性があります。今後は、プロと一般ユーザーの境界線がさらに曖昧になり、“身近な発信者”が新しい広告主役になる時代が近づいているのかもしれません。
引用元: Noise wants to help everyday people become paid content creators
