分散型SNSとして注目を集めるBlueskyが、「アルゴリズムによって投稿が広く拡散されることを望まない」ユーザー向けの新機能を追加しました。海外テックメディアTechCrunchは、Blueskyが“バズりたくない人”のための「アルゴリズム・オプトアウト」機能を導入したと報じています。
Blueskyは、「時には、人々はただ自分のフォロワーに向けて投稿したいだけなのです」と述べています。
SNSでは長らく、「より多くの人に届くこと」「拡散されること」が成功の指標とされてきました。しかしBlueskyの今回の動きは、すべての投稿が“おすすめ”やアルゴリズムによって不特定多数へ広がる必要はない、という新しい価値観を示しています。
SNSの主役は「拡散」から「届く範囲のコントロール」へ
X、Instagram、TikTokなど多くのSNSでは、アルゴリズムによる推薦がユーザー体験の中心になっています。フォローしていないユーザーの投稿がタイムラインに流れ、強い反応を集めた投稿は一気に拡散されます。
しかしその一方で、投稿者にとっては意図しない炎上や文脈の切り取り、知らない相手からの大量の反応といったリスクもあります。特に日常のつぶやきや限られたコミュニティ向けの投稿が突然広く拡散されることは、必ずしも歓迎される体験ではありません。
「Blueskyが“バイラルになりたくない人”のために『アルゴリズム・オプトアウト』機能を追加した」
この機能のポイントは、SNSにおける「可視性」をユーザー自身が選べるようにすることです。つまり、投稿を完全に非公開にするのではなく、「フォロワーには届けたいが、アルゴリズムによって予期せず広げられたくない」という中間的なニーズに応えるものだといえます。
日本のSNS文化とも相性がいい「バズらない選択肢」
日本のSNSユーザーは、匿名性や小さなコミュニティでの交流を重視する傾向があります。Xでも「鍵アカウント」や「サークル的な使い方」、Instagramの親しい友達機能など、投稿範囲を限定するニーズは以前から存在していました。
ただし、完全な非公開設定にすると新しいつながりが生まれにくくなります。一方で、公開投稿のままだと検索やおすすめ、引用、リポストなどを通じて予想以上に広がる可能性があります。Blueskyのアルゴリズム・オプトアウトは、この両極端の間にある「ほどよく開かれたSNS利用」を可能にするものとして注目されます。
クリエイターや専門家にも重要な機能になる可能性
この機能は一般ユーザーだけでなく、クリエイター、研究者、ライター、エンジニアなどにも意味があります。たとえば、まだ整理されていない考えをフォロワーと共有したい場合や、特定の文脈を理解している人たちにだけ読んでもらいたい場合、アルゴリズムによる拡散はむしろノイズになることがあります。
特に日本では、発言が拡散された後に「文脈が違う」「本来の意図と違って受け取られた」といったトラブルが起こりやすく、発信者が萎縮するケースも少なくありません。投稿ごと、あるいはアカウント単位で拡散のされ方を選べる仕組みは、より安心して発信するためのインフラになり得ます。
Blueskyが示す、次世代SNSの方向性
Blueskyは、従来の中央集権型SNSとは異なり、ユーザーがフィードや表示体験をより柔軟に選べることを特徴としています。今回の「アルゴリズム・オプトアウト」も、その思想の延長線上にある機能と見ることができます。
これまでSNSプラットフォームは、ユーザーの滞在時間やエンゲージメントを最大化するために、強い反応を生む投稿を優先的に表示してきました。しかし今後は、「何を見せるか」だけでなく、「誰に見せるか」「どこまで広げるか」をユーザーが選べることが、サービスの信頼性を左右する重要な要素になりそうです。
日本でもBlueskyの利用者は徐々に増えており、Xの代替先やサブSNSとして使うユーザーもいます。バズることを前提にしない設計が広がれば、SNSは再び「気軽に書ける場所」へ戻っていくかもしれません。
“拡散される自由”だけでなく、“拡散されない自由”をどう守るか。Blueskyの新機能は、これからのSNSに求められるプライバシー感覚と発信者保護のあり方を考えるうえで、重要な一歩といえるでしょう。
引用元: Bluesky adds an ‘algorithmic opt-out’ feature for those who don’t want to go viral
